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日々の出来事 雑記

シルバーウィークに感じたさみしさ・・点、点、点・・

私は介護老人施設で働いています。長期で入所している人の他に、短期で入所する人がいます。短期入所する人はほぼ決まっていて、たいがい期間は数日で入所日はバラバラです。でも昨日はなぜか複数の人が同時に入所になり部屋の調整が大変でした・・。事前の打ち合わせが上手くいってなかったのもありますが・・。「こんなに重なるなんて珍しいね」などと同僚の職員たちと話していました。すると誰かが「シルバーウィークだからじゃない?」と言いました。皆、「あ~!」と納得。推測ですが、シルバーウイークに家族で出かけるためじゃないでしょうか?家を留守にするので老人を施設に預けたのです。高齢者=シルバー。施設では別の意味でのシルバーウィークだったわけです。

ふと、何となくさみしさを感じました・・。家族の輪を外れ数日間を施設で過ごす老人達・・。少し悲しい気もしましたが、老人たちは数日後にはまた家族の輪に戻ります。私が感じたさみしさは老人たちに対してではなく、自分に対してです。私は老母と夫と暮らしています。子どもはいません。いずれ老母も夫もいなくなったら、家族の輪はなくなります。(私が夫より先に逝く場合もありますが・・)家族の輪がなくなった時、私は”点”になるのです・・。ポツンとした”点”・・。その”点”を想像したら、さみしさを感じたのです・・。何だか暗い気持ちになりました・・。

昼下がり、仕事を終え家に帰っても”点”のイメージは消えず心に残っていました。点、点、点・・・天?ふと、ある絵が思い浮かびました。マジックリアリズムの画家、ロブ・ゴンサルヴェスの絵です。本棚からロブ・ゴンサルヴェスの絵本も引っ張り出しました。夜、火を灯した1本のロウソクを持った人たちが街のあちこちにいます。外国の街です。ロウソクの点々とした明かりは街の遠くまで続き、いつしか夜空の星とロウソクの火は重なっていきます・・。ロウソクの火と星の静かな呼応・・。夜のしじまに灯された小さなロウソクの明かりと星の瞬きに少しのさみしさと温かさを感じました・・。

もし私が”点”となったら、心に1本のロウソクの火のような小さな明かりを灯して、ささやかに生きたい・・。そんな思いになりました。そして将来、夜空から地上を見たら、ロブ・ゴンサルヴェスの絵のように”点”となった人たちが灯した小さな明かりが星のように瞬いているかもしれない・・そんな空想をしました・・。点、点、点・・天・・。

私はロウソクの火が星になっていくイメージを持ちましたが
タイトルは「落ちてきた星」

読んで下さりありがとうございます。