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日々の出来事

通夜でのささやかな出来事

伯母が亡くなったとの連絡があったのは昨日のことでした。娘さんからでした。老母の姉で、めったに会うことはありませんでしたが、穏やかな人で91歳でした。今夜が通夜だったので雨の中、車で老母と会場に行きました。待合室に行くと参列者はほとんどが見知らぬ人。数名、顔見知りの人がいて、その一人に老母の実家の人(従兄)がいました。こういう時ぐらいしか顔を合わせないので、会うのは久しぶり。内心、年をとったなあ、と思い顔を眺めました。・・が、これはお互い様ですね。私もきっと年をとったなあ、と思われていることでしょう・・。
挨拶すると「家の電話を解約した」と言いました。セールスなどいろいろ訳の分からない電話がかかってきた鬱陶しいからとのこと。「これで(携帯を見せて)十分」だそうです。携帯番号をお互い知らなかったので一応何かあった時のために交換しました。

通夜の時間になりました。各椅子の上にはジャバラ折りの用紙と2つ折りの青い用紙がありました。ジャバラ折の用紙には”真言宗勤行式”のお経が、青い用紙には”いろは和讃”という密厳流御詠歌なるものが書かれていました。ふーん・・と思い眺めていると入場した御前様(僧侶)から説明があり、お経の印が付いているところと御詠歌を参列者が読み上げるとのことでした。えっ!お通夜には何度も参列したことがありますが参列者もお経を読み上げるなんて初めてです。
お経が始まると御前様と参列者の掛け合いのように進んでいきました。こういう形式もあるんですね。私は初めてのことだったので何だか新鮮でした。そして意味不明でもお経を声に出して読むと何だか気持ちが落ち着く気がしました。

通夜終了後、通常だったら通夜振る舞いがあるのですが、コロナの関係でなし。用意されていた食事を持ち帰りました。家に帰り食べましたが、仕出しは和食から洋食、中華までバラエティーに富んでいて好きです。魚の西京焼き、鶏の照り焼き、エビの春巻き、カキのグラタン、骨付きウィンナー、野菜の煮物、酢の物など・・・。けっこう豪華です。

伯母は何年かを施設で過ごしました。最後に会ったのは施設に入る前、入院している時です。老母とお見舞いに行きました。その時のことを食事を食べながら思い出しました。認知症が進み何も分からなくなり体も動かなくなっていました。でも表情はにこやかで平和で、人柄と人生が凝縮されているような顔でした・・。合掌。

読んで下さりありがとうございます。