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思い出 日々の出来事

善光寺参りにまつわるお話

一昨日の昼下がり、仕事から帰る途中、老母の知人宅の前を通った時、葬儀の看板が出ていました。私の家の近くです。この家の70代後半の女性が病気で、ご家族が自宅で面倒をみていると聞いていました。おそらく、その女性が亡くなったのだな・・と思いました。家に帰ると老母に伝えました。すると老母はすぐに近所の家に相談に行きました。そして、しばらくして戻ると、翌日、女性宅から葬儀場に女性の亡骸を搬送する時、皆で見送りに行くことになったと言いました・・。近所の家ではすでに女性が亡くなったことを知っていたそうです・・。

昔、私が住んでいる部落では女性たちはある程度の歳になると皆で善光寺参りをしたそうです。老母も40代の頃、部落の女性たちと善光寺参りに行きました。そして先の女性もその時一緒だったとのこと。「一生に一度は善光寺参り」と昔から言われていますが、善光寺参りに一緒に行った仲間には何か特別なつながりが生じるようでした。善光寺参りの後も連れ立って旅行に行っていました。

私の世代には、もうそのような風習はありません。でも私も一度、善光寺には行きました。30代の頃、7年に一度の御開帳の時に老母と・・。善光寺に行く前に別所温泉にある北向観音に参拝しました。北向観音が現世の利益、善光寺が来世の利益をもたらすといわれていて、両方参拝して両参りになると聞いたからです。どちらかだけの参拝では片参りになるそうです。
気候のいい5月で気楽なのんびりとした旅でした・・。初めて宿坊にも泊まりましたね。

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その時の旅の思い出に老母は参道沿いのお土産屋さんで金の線で牛の絵と善光寺の文字が描かれた小ぶりの丸い花瓶を買いました。”牛に引かれて善光寺参り”ということわざがありますが、老母は丑年なので余計に牛には縁を感じたようです。今でも棚に置いてあります。

昨日の夕方、老母と近所の人たちは、女性の見送りに行きました・・。そして帰って来てから、老母は幾つかの女性との思い出話をしました。そして、最後に「きれいな人だったよ」と老母は言いました・・。

老母が善光寺参りの思い出に買った花瓶

読んで下さりありがとうございます

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