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雑記

印象に残っている光景・・そこに幸せがあると思った

昨日の日中、買い物からの帰り道、家の近くまで来た時、年配の男性が乗った車椅子を押している年配の女性を見かけました。近所のご夫婦で散歩をしているようでした。

このご夫婦は10年以上前、ご主人が定年退職したのを機に田舎暮らしをしたくて他県から越してきました。そして夫婦で畑仕事をされたりして、田舎の暮らしにも馴染み気に入っているようでした。

しかし越してきて何年目だったでしょうか。ご主人が脳梗塞になり、治療のためお子さんたちのいる所に行ってしまいました。ご主人の病状は分かりませんでしたが、もう、戻って来ることはないかもな・・と思いました。田舎は不便で暮らしづらいですから・・。

しかし、それからどれくらいの月日が経ったでしょうか。またご夫婦でこの地にやって来たのでした。ご主人は脳梗塞の後遺症で車椅子生活になっていました。でも今も支援を受けつつ、変わらず夫婦で穏やかに暮らしています。それにしても、よっぽど田舎暮らしが性に合ったんですね。

ところで、数年前のあるうららかな春の日のこと。私は家の近くを散歩していました。周囲には誰もいなくて、散歩がてら立ち止まり一人で道端の花を眺めたりしていました。

すると、どこからか”春が来た”のメロディーが流れてきました。ハーモニカのようでした。誰が吹いているのだろう・・と不思議で音の出所が気になりました。

先の夫婦の家が近くにあり、側を通った時、ホソバの垣根の間から畑が見えました。そして畑の側で車椅子に座ったご主人が片手でハーモニカを吹いているのが見えました。”春が来た”はご主人が吹いていたのです。上手だな・・と感心しました。そしてご主人がハーモニカを吹いている傍らで奥さんは畑仕事をしていました。

春のうららかな青空の下、畑仕事をする奥さん、その傍らで車椅子に座りハーモニカを吹くご主人。ハーモニカから流れてくる”春が来た”は春を知らせるように空に広がっていきます。その光景に幸せを感じました。見えたのは一瞬だけですが。

そして声を掛けるのははばかれ、そっと側を離れました。その幸せな光景を壊したくなかったので・・。

昨日、散歩している夫婦の姿も微笑ましかったです。何気ない日常こそが幸せだと気づかされます。

読んで下さりありがとうございます。