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日々の出来事

意外なハートに和んだ会話

パート先のデイサービスの利用者の方でKさんという80代後半の女性がいます。認知機能は衰えていますが話好きで色々なものに目が行く方です。

歩行が不安定で歩行時に付き添うのですが度々立ち止まり、飾ってある花や物、レクリエーションで作った作品などを眺めます。

何回も見ているものでも毎回初めて見るような感じで、その都度、喜んだり感心したりして、すぐ側のトイレに行くのにも時間がかかります。

Kさんはマイペースでどこかフワッとした感じの女性です。

さて、そんなKさんは昨日Sさんという最近来られるようになった女性と隣同士の席になりました。

Sさんは90代後半で認知機能の衰えはありますが年齢を考えたらしっかりしています。二人が顔を合わせるのは初めて。

そして私も混じり三人でとりとめのない会話をしたのですが思わず心が和んだことがありました。

会話の途中で、ふとKさんが「ハートだね」と言いました。「えっ?」いったい何がハートなのでしょうか。周囲にハートのものはありません。

不思議に思っているとKさんはSさんの左手首を指さしました。見るとSさんのちょうど手首の真ん中(手の甲側)に数センチの薄茶色のシミがあり、そのシミが何となくハートっぽい形だったのです!

まさかハートがシミのことだとは思いませんでした。

Kさんは笑顔で「いいねえ。私にはそういうのはないよ」と言い残念そうな感じで自分の腕を眺めたのでした。

それにしてもKさんの観察力に感心。Sさん自身も手首のシミの形なんて気に留めていませんでしたし、私も気づきませんでした。

それにしてもハート形だとシミもちょっと素敵に思えたりしました。シミがある場所も手首の真ん中でちょうどいいし。アクセサリーのよう。

Sさんも何だか嬉しそうでしたし私も楽しくなりました。意外なハートに和んだ三人の周りにはハートが飛び交っていたことでしょう。

読んで下さりありがとうございます。