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思い出

心に残っている言葉

はるか昔、私が高校生の頃の話です。

高校生の私は周囲に溶け込めず、本当に暗く毎日が灰色でした。たいがいの人は高校生の時の楽しい思い出がいくつもあったりするんだろうと思います。しかし、私にはまったくありません。学校に行くのは義務だと思い何とか通っていました。

自分はどうしてこんなに暗いのかな・・ドツボだ・・周りの子達のように、どうして明るくなれないのかな・・などど思ったりしてました。

何だか暗いトンネルの中を一人でトボトボ歩いているような毎日でした・・。

何年生の頃だったか忘れましたが、3月に他校に移動になる先生方を送る離任式が体育館で行われました。
壇上で移動になる先生方が一人ずつあいさつをしました。その中の一人に比較的、若い男の先生がいました。私とはまったく接点がなかった先生で、名前も知りませんでした。

でも、その先生があいさつで話した言葉が私の心に今でも残っているのでした。

その先生は、どうして自分はこんなに暗いんだろうと悩んでいたそうです。そして、ある先生(おそらくかなり年上)に相談したそうです。すると相談された先生に「暗くていいんだよ。暗くていいんだけど、夜明け前の暗さになりなさい」と言われたそうです。

夜明け前の暗さ・・。その言葉は、暗さの中に光や希望が内包されているように感じて、私の心に響きました。そして何度かその言葉を心の中で唱えてみました。なんだか暗い心を照らしてくれるように感じたのでした・・。

話をされた先生の顔も名前もまったく覚えていません。でも、夜明け前の暗さ、という言葉だけは何十年たった今も私の心に残っているのでした・・。

3月・・ふと、書き記したくなりました。

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思い出

人形と魂

今日は、ひな祭りですね。別にこの歳になって、おひな様を飾るわけでも何するわけでもないのですが・・。せっかくなので道明寺だけ買いました。

私が子供の頃、2月中旬になると人形を出して飾りました。飾るのは祖父の役割でした。
人形のほとんどは雛人形ではなく、1体ずつガラスケースに入れられた30㎝くらいの大きさの日本人形でした。藤娘とかそんな感じので、華やかなきれいな着物を着ていました。全部で30体前後あったのではないでしょうか・・。おひな様とおだいり様のセットも2、3ありました。
人形は3段にして飾りました。一番上におひな様とおだいり様のセット。その下2段にズラーッと日本人形が並べられました。子供の私にとって心躍る光景でした。

私は飾られたたくさんの人形を毎日飽きずに眺めました。そして人形の側で眠りました・・。

・・今ではちょっと考えられないですね。たくさんの日本人形の側で眠るとか・・。子供の頃は何とも思わなかったのですが、いつからか人形に怖さを感じるようになりました。ぬいぐるみ等はいいのですがリアルな人型の人形となると苦手です・・。でも数の問題かもしれません。

日本人形でもフランス人形でも1体ぐらいだったらいいのですが、ズラーッとたくさんの人形が並んでいる光景を想像するとホラーな感じがしてしまうのです・・。お菊人形とか1体でもホラーですが・・。
すみません・・。これは趣味の問題ですね。人形を収集している方もいると思います。

でも、なぜ人形に怖さを感じるのでしょうか・・。人形は魂の入れ物、と表現している人がいました。
やっぱり魂が宿っているように感じるからですかね・・。それも生々しい魂・・。

たくさんの日本人形は今でも物置にあります。もう何十年も出していません。でも、やはり捨てることはできません。いずれは人形供養でしょうか・・。持っていくのが大変ですが・・。

しかし、なぜ家にたくさんの日本人形があるかというと、おそらく私と一つ下の妹のために親類縁者が贈ってくれたのではないかと思います。こんな落ちぶれた家にもそんな賑やかしい時代があったんですね・・。

なんだか感慨深いような、さみしいような気持ちで道明寺とお茶で一服しました。

2種類の道明寺
桜の葉を巻いたものと桜の花の塩漬けがのっているもの

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思い出 日々の出来事

追加給付と贈り物の話

昨日、仕事を終え午後2時頃に帰宅。しばらくして郵便が届きました。封書で厚生労働省からの雇用保険の追加給付に関するお知らせなるものでした。なんのことでしょう??

見てみると、もう10年以上前にもらった雇用保険の受給がなんだか不適切な取り扱いをしていたため、適切に給付されてなかった可能性があるとのこと。不足していたら追加給付してくれるらしいです。でもその確認のためには同封されている回答書に必要事項を記入し返送しなければなりません。

回答書を見ると、ちょっとめんどうな感じ・・。直近の勤め先を3つまで記入し、就職した年と月、離職した年と月も記入しなければなりません。
うーん・・そうすると20年以上さかのぼらないといけません・・。もう記憶の彼方ですよ・・。でも、いくらかでもお金が入ってくるかもしれません!時間はかかりましたが記入しました。

以前の職場のことを調べていたら、一緒に働いていた人たちのことを、ふと思い出しました。
今ではまったく会うことのない人たちです。

20年ほど前の職場で、誕生日のプレゼントを贈りあった同世代の女の子がいました。ある年、その子にガラスの受け皿にピンクの金属の球体の香立てをもらいました。ステキで気に入って今でも大事にしています。センスのいい子でした。

さらにさかのぼって30年近く前、一緒に働いていた女の子に腕時計をもらいました。
なぜ彼女から腕時計をもらうことになったかというと・・。付き合っていた男性と別れることになり、その人にもらった物をその子が持っていたくなかったのです。(彼氏に返そうとしたら女物を返されても困るからいいと言われたそうです)そんなわけで私にもらってほしい、とのことで、金色の腕時計が私のところにやってきました・・。
正直、私はせっかくいい物なんだから持ってればいいのに・・物に罪はないのに・・もったいない・・と思いました。

そしてこの前、片づけをしていたら、もうすっかり忘れていたその腕時計が出てきました。すでに電池が切れて止まっていたましたが電池を入れ替えたら使えるかも・・。腕時計が欲しいと思っていたのでこれを使おうかな、と思っています。

昔の同僚で唯一、今でも付き合いがあるといえば夫だけですね。夫とは20年以上前に働いていた会社で知り合いました。
とくにタイプだったとか、特別好きってわけでもありませんでしたが、なんとなく付き合いはじめました。まったりとした、ゆる~い付き合でした。なんかぬるま湯につかっているような感じです。長い年月を過ごすには気楽な相手が一番と思い結婚しました。まあ、他に相手もいなかったのですが・・。

そういえば夫に贈り物をもらったことってないですね。結婚式も特にやらなかったし、結婚指輪もないんですよ。ふと、思ったけど、知らない人からみたら独り身と思われてますよね。指輪してないし。 まあ、いいんですが。正直、夫婦って感じはないですね。同居人?ですかね。お互い誕生日とかイベントなし。そういえば結婚したのっていつだったかな?忘れてます。
バレンタインシーズンはチョコレートを買ってきますが、ほぼ私が食べてますね。

昨日は職場の女の子にバレンタインの贈り物を頂きました。(私が今日、休みなので)
緑茶3包とスティック羊羹のセットとハンドタオルでした。
彼女は毎年、バレンタインに職場の人たちに贈り物をあげています。しかし、こんなオバサンにまで気を使ってくれて申し訳ないですね。ありがたく頂きました。

お香立てと時計

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思い出

さすらいの猫(2)

どこからかやって来る男たちがいます。と言っても猫の話です。

去勢をしていないためメス猫を追いかけ、いつの間にか見知らぬ土地へ来てしまったオス猫たち。ウチにもたまにやって来ることがあります。その中の1匹に大きな長毛のサバ猫がいました。

いつやって来たのか、はっきりとは覚えていません。5、6年くらい前でしょうか?
人懐こくて穏やかな猫でした。人が近寄っても逃げないどころか、自ら近寄ってきて人の足に頭をこすりつけてきたりしました。元々は飼い猫だったのでは・・と思います。人に対する警戒心はまったくありませんでした。頭を撫でてあげるとかわいい声で「ニャー」と鳴きました。

ウチではギンタと呼んでいました。ギンタのギンは銀色の銀です。グレーの毛が銀色を思わせたからです。かっこいい、たてがみがありました。
もともとはフワフワな毛並みだったと思いますが、野良猫生活のため毛はバサバサでした。きれいに洗ってあげたら、さぞ見違えるような美猫になるんだろうな・・と思いました。

家が密集する街中では野良猫は迷惑な存在だったりします。安易な餌やりが問題になることもよくあります。しかし私の住んでいる所は、すっごく田舎です。家と家の間は離れていて、間には竹林や畑や雑木林があります。野良猫というか、猫がうろうろしていても誰も気にしません。
ウチも含め納屋がある家が多く、野良猫が納屋をねぐらにしていたりします。野良猫にエサをあげる家も何軒かあります。ウチも来るとあげたりします。でも特に誰も問題にしません。(猫による実害がないからですが・・。ちなみに今、ウチの周辺で問題になっているのはイノシシです。あとアナグマ、アカゲザル。)
野良猫にとってはいい所だと思います。

ギンタはたまに勝手口にやって来ました。そしてエサを食べ終えると、たいがい長居はせずどこかに行きました。
ある夏の日、「ニャー」というギンタの鳴き声。久しぶりでした。勝手口の戸を開けると・・しかし見知らぬ猫がいました。
えーこの猫は?ギンタ?戸惑っていると猫は私の顔を見て、また「ニャー」と鳴きました。
ギンタでした。夏毛になったのでしょう。全体的にスッキリしたのと顔周りのフサフサのたてがみがなくなっていました。印象が変わり別の猫に見えたのでした。

猫同士、ケンカすることもあったでしょうが、ギンタは人に対して大人しくて平和的な猫でした。
今はもう来ることはありません。ギンタを見たのは一昨日の秋が最後でした・・。

いなくなった猫たちのことを思い出すと懐かしさとともに寂しい気持ちになりますね・・。

ギンタです

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思い出

さすらいの猫

どこからかやって来る男たちがいます。といっても猫の話です。まったく人になついていない完全野良猫もいれば、穏やかで人懐こくて元々は飼い猫だったと思われる猫もいます。去勢していないので、メス猫を追っていつの間にか住んでいた場所を離れ遠くまで来てしまったのでしょう。

強いオス猫が現れると、ウチに来ていたご近所の猫たちが来なくなります。去勢していないオス猫は縄張り意識が強いです。ケンカして弱い猫は追いやられてしまうのでしょう。
強いオス猫の1匹に毛足の長い黒猫がいました。見るからにふてぶてしい面持ちをしていて目つきが悪くたてがみがありました。なでようとするとシャーといい爪をたてて怒ります。完全な野良気質。かわいげのない怖い猫でした・・。ウチではモサと呼んでました。

でもその内、どこに行ったのかモサの姿が見えなくなりました。そうすると来なくなっていたご近所の猫たちが安心したのか、またやって来るようになりました。いなくなったのが分かるんですね。
かわいげのない猫でも、いなくなると寂しい気がして、どこに行ったのかな・・と思っていると数か月後、またひょっこり現れたのでした。するとご近所の猫たちは再び来なくなりました。つかの間の平和でしたね・・。

いなくなったり現れたりということを繰り返し、モサもいつの間にか本当にいなくなりました・・。

モサのライバル(?)に近所の家の茶白の猫がいました。この猫だけはモサがいても時々、やって来ました。飼い猫といっても未去勢のオス猫で家には入れてないようでした。未去勢だとマーキングしますからね。物置にでもいたのでしょう。
この猫は一応、飼い猫だけあって撫でられるし怒ったりしません。でも対オス猫だと闘争心むき出しになります・・。ケガも多かったです。名前は知りません。ウチでは勝手にサバオと呼んでいました。
ちなみにサバオはまだいます。未去勢でどこにも行かず、10年以上、同じ場所に住み続けるオス猫は珍しいですね。

モサとサバオ・・どちらが強かったのかな・・。一触即発!という時もありましたが、ケンカにはなりませんでした。よかったです。ケンカっ早いサバオもモサには向かっていけなかったのかもしれません。何となくお互いけん制している感じでした。
まあ、私の知らないところでバトルしていたかもしれませんが・・。

モサは印象深い猫の1匹です。今でも、どこかをさすらっているのでは・・と思ったりします。

モサです

サバオです。そして後ろにモサ!屋根の上で大喧嘩になるかと思いヒヤヒヤしましたが大丈夫でした。

今では、モサはかっこいい猫だったな・・と思います。

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