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日々の出来事

身につまされた話

パート先のデイサービスの利用者さんで一人暮らしの女性が何人かいます。その内の一人Kさんは80代前半で体はしっかりしていますが認知症があります。身の回りのことは出来るし一見認知症には見えないのですが。

Kさんの旦那さんは長期入院していて子供もいないので親戚の方がいろいろ面倒を見てくれているようです。

ところで最近、Kさんの精神状態が不安定なことが時々あります。認知症の影響かなと思っていたのですが・・。

先週のある日、Kさんはちょっと調子が悪くてベッドで静養していたのですが、目覚めると私に「あんたも聞いてるでしょ?」と言ってきました。

何のことか不明で私が「何も聞いていないですよ」と返事をするとKさんは「そう・・」と言って何やらいろいろと妄想交じりの訴えを始めました。

要約すると、”家のことをどうするんだと言われても、今まで家のことは主人が勝手にやっていた。今さら私にやれと言われても分からない・・”というようなこと。

そして「人間を廃業したい」と何度も言いました。

親戚の人たちから、あれこれ言われることがあるみたいです。跡取りのいない家の後始末をどうするのかみたいなことだと推察。
そうするとKさんは責められているように感じるのでしょう。実際、責められているのかもしれません。

親戚の人と言っても面倒を見てくれている人なのか、そうじゃないのかは不明。

Kさんの言う通り、Kさんに今さら家のことをやれと言っても無理でしょう。

Kさんの精神状態が不安定になってきたのは、家をどうするかいろいろ言われることや旦那さんが家に戻って来れるか分からず一人でいることの不安などからでしょうか・・。

Kさんの話を聞いていて子供のいない私は他人事ではなく、ちょっと身につまされました。

でもKさんは何だかんだ言っても面倒を見てくれる親戚の方がいるのだから幸せかもしれません。最終的には家のことも親戚の人たちで何とかするのかもしれませんし。

私の場合は親戚付き合いもありませんからね。将来、夫が先に亡くなった場合、頼れる人はなくシビアな状況になるでしょうね。まあ、自業自得なのですが。

さて、家のことでいろいろ気に病むKさんの話を聞いていた私は「最後は行政が何とかしてくれますよ」と言いました。

すると暗い顔をしていた女性は以外にも笑い出し「そうね」と言いました。

私も老いてどうしようもなくなったら行政に頼るしかないかもしれません。それまでは慎ましく生きていこうと思います。

読んで下さりありがとうございます。