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雑記

そこに畑があるから

私は母親と暮らしています。母親は齢80を過ぎました。耳が遠くなり背中も丸くなり立派な老婆です。70代後半くらいから、あっちが悪いこっちが悪いと言っては病院に行っていました。しかし色々検査しても異常なし。「よかったじゃない」と言っても納得できません。また新たな病院へ行くのです。ひたすら病気を探しているようでした。しかし体の不調は、老化によるもので病気ではなかったんですよね。しかし本人は、それが受け入れられず病院を巡っていました。神経症です・・。そして行く病院がなくなり・・今は最後に行った病院にお世話になっています。

母親は以前、車を運転していましたが、数年前免許を返納しました。ど田舎で車がないと不便な地域。母親の世界は狭くなり外出といえば病院だけ。病院以外は本人も出かけたがりません。一番の関心ごとは体の不調のこと。
昔は、手芸が好きで地域のパッチワークや手まり作りのサークルに入っていました。特に夢中だったのは、手まり作りで本当にたくさん作りました。今でもウチには、たくさんの手まりがあります。
時間のたっぷりある今こそ、何かやればいいのに・・と思うのですが、その情熱はないようです・・。

しかし唯一、体の不調を訴えつつもやめないことがあるのです。野菜作りです!不思議です・・。決して楽なことではないのですが・・。なぜなのか本人に尋ねても「昔からやってるから・・」と言い本人にも明確な理由は分からないようです。
要するに「そこに畑があるから」ということでしょうか。

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畑は、ご近所の方が耕してくれます。季節ごとの野菜を一人で見事に育てます。これからの季節は玉ねぎ、大根、ほうれん草などを作ります。できた野菜はウチで食すほか、近くに無人の直売所があり、そこにも出します。朝早く、取れたての野菜をきれいに袋詰めにし、台車にのせ母親は持っていきます。新鮮な野菜は朝9時くらいには、ほぼ売れてしまいます。

母親の作った野菜が、どこかのお家で料理され美味しく召し上がってくれているんだな、と思うとうれしくなります。母親があっちが悪いこっちが悪いと言っても、野菜作りをしているうちは大丈夫、と私は思っています。

読んで下さりありがとうございます。

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