もうすぐお彼岸です。午前中、老母と近くの直売所でお墓に供えるアスナロを買い、そのままお墓に行きました。
家のお墓は古い小さなものが幾つもあったのですが、亡き父親が大きなお墓を建て一つにまとめました。でも古い小さなお墓だった墓石は残っていて並べてあります。でも、もうそこは、もぬけの殻のはずなので供え物はしません。
アスナロを上げるのは父親が建てたお墓と特別に残したお墓だけ。その特別なお墓とは家のお墓で一番古いもので、ご先祖様のお墓と言っています。
墓石の表面は長い年月で風化し大きくえぐられていて刻まれていたであろう文字はもうありません。
ご先祖様は何でも落ち武者でこの地まで逃げて来たらしい。ご先祖様のお墓の両脇には二人の家来の小さなお墓もあります。
よくありそうな言い伝えで嘘か本当か分からないような話ですが、私はこの話を信じています。
何とかご先祖様が生き延びてくれたおかげで私も今、存在しているわけです。遥か昔に思いを馳せご先祖様と家来の方のお墓にアスナロをお供えしました。
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ところで家は古い日本家屋なのですが、柱の何ヵ所かに陶製のフックが取り付けられています。そのうちの隣り合った柱のフックに細長い棒状の物干し竿のようなものが昔から掛けられていました。
子供の頃からずっとあり、それが何なのか気に留めることはありませんでした。ものを掛けるものかな・・くらいにしか思っていませんでした。
ところが、ある時、夫がその棒状のものを指差し「あれ槍だね」と言ったのでした。
ええっ!槍!?
ずっとそれが気になっていて夫は、先端は鞘ではないかと思い引っ張ってみたら予想通り取れて刃があったそうです。
まさか家に槍があるとは思っていなかったのでビックリしました。
老母に聞いたら槍のことは知っていましたが、謂れは聞いていないとのことでした。
すごく古いもので、もしかしたらご先祖様のもの?・・と思ったりしています。父親や祖父が生きていた時に聞いてみればよかったな・・。少し後悔。
槍は変わらずフックにかけたままです。もし強盗とかが入ってきたら、この槍で夫がやっつけてくれることになっています。
読んで下さりありがとうございます。