世田谷美術館でグランマ・モーゼス展が開かれています。開催期間は2021.11.20~2.27。行きたいけれど、とてもじゃないけれど行けるような状況ではありません。残念ですがしょうがありません。
グランマ・モーゼスは”グランマおばあさん”という意味で愛称。本名はアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス。1860年生まれ。アメリカの国民的画家といわれ作品もですが、経歴も興味深いです。
無名の農場の主婦だったグランマ・モーゼスが絵の制作を始めたのは70歳ごろ。最初は刺繡で絵を制作し始めたそうですが、リュウマチで刺繡が困難になったためリハビリもかねて油絵を描き始めたそうです。
身近な農村の風景や生活を描き人気作家となり、101歳で亡くなる年まで描き続けて約1600点の作品を残したというから感嘆します。
実際に以前、数点の作品を見たことがありますが、素朴で温かく、どこかノスタルジックな感じがしました。古き良き時代を思わせる田舎の風景が素敵でしたね。
それにしても年をとってきて何かをやるには、もう遅い・・という気持ちになることがありますが、グランマ・モーゼスのように高齢になってから何かを始め成功した人を知ると気持ちが浮上し前向きになれます。
ところで日本にも高齢になって絵を描き始めた”おじいさん画家”がいます。東勝吉(ひがしかつきち)です。作家の村田喜代子さんのエッセイ本で知りました。
絵を描き始めたのはグランマ・モーゼスよりも遅い83歳!元木こりで老人ホームに入所してからホームの園長に勧められて絵を描き始めます。水彩画です。
アトリエは自室のベッドを除いた半分。2007年に99歳で亡くなるまでの16年間で100点余りの作品を残しました。
本に掲載されている勝吉の描いた自画像や風景画は子どもの絵のようですがシンプルで洒脱。
グランマ・モーゼスのような華やかさを感じるわけではありませんが無垢な世界に心惹かれます。特に風景画には透明感と涼やかさを感じて、いいなあ、と思いました。
湯布院にある老人ホームの一角に東勝吉ギャラリーが開設されています。いつか行ってみたいです。
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