女性は過去の嫌な出来事を覚えていて夫婦喧嘩などの際に掘り返しネチネチ言ったりする、という話をよく耳にします。私はそういう執念深いタイプではなく、実際に前述のことがよくあることなのかは分かりませんが、今日たまたま女性の執念深さを感じる出来事がありました。デイサービスのパートでのこと。
1人の女性利用者の方がソファでくつろいでいました。90代半ばで認知症がありますが陽気な方です。女性はいつの間にか居眠りしていて2度ほど大きな声を出しました。寝言です。何と言ったのかは聞き取れませんでしたが怖い夢でも見たのかな・・と思いました。
目覚めてから女性に「怖い夢でも見たんですか?」と声を掛けると「行くなって、とめたんだよ」と言いました。誰を?と尋ねると、今は亡き旦那さんを、でした。旦那さんが家を出ていく夢を見ていたのです。
そして、それから女性は一気にしゃべり始めました。結婚してすぐ旦那さんは、よく家を空けるようになったそうです。理由は仕事のためだったとのこと。ならば仕方ないのでは・・と思いましたが、女性は許せないようで「それなら一緒にならなければよかったのに!」と憤慨した様子。
二十歳の時に旦那さん(の家の人かな?)が女性をお嫁に貰いにきたそうです。 旦那さんは8歳年上で年が離れていたのでどうしようか迷ったそうですが 結婚したそうです。「二十歳だよ!二十歳!」と女性は何度も言いました。
70年を過ぎても夢にまで見て大きな声で寝言で文句を言うのですから、よっぽど腹が立ったのでしょう。それにしても執念深い・・と思いましたが、 若い身空で結婚。旦那さんが留守がちなことは、二十歳の女の子にとっては信じられないことで、心もとなく、すごく寂しかったのかもしれません・・。
そんなことを考えていたら女性がいつも肌身離さずしている金のネックレスが目に留まりました。このネックレスは確か旦那さんの形見・・。きっと女性の執念深さは愛情の深さの裏返し・・。考えたらお子さんが5人もいるのだから仲睦まじいご夫婦だったんでしょうね。
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