今日の夕食後、居間で夫とまったりしていたら家のどこからか”タッタッタッタッタッタッタッタッ・・・・”という規則正しい秒針のような音がしているのに気付きました。
いったい何の音だか夫にも私にもまったく見当がつきません。とりあえず音のする方に私が見に行ってみました。
障子を開けて隣の部屋に行くと何かが床に転がっていて、そこから音がしているようでした。小さなものです。
いったい何?と思ったら、なんと半分ほど体がひしゃげたセミでした。
機械音かと思ったら、セミの断末魔の鳴き声だったのです。うっかり家の中に入ってきて猫に見つかり、いたぶられたのでしょう。不運なセミ・・。
何だか外に放り投げるのも、かわいそうな気がしてセミを拾い上げ居間に戻ると窓辺に置きました。
“タッタッタッタッ・・”という鳴き声が”タタタタタタ・・”と早くなりました。8分音符が16分音符になったのです。
夫は「何か嫌だね」と言いましたが、そのままにしておきました。その内、セミの鳴き声は更に早くなり普通のセミの鳴き声に近くなりました。
しばらくすると今度はだんだんと遅くなってきました。16分音符になり8分音符になり4分音符になり、そしてさらに遅くなりセミの鳴き声は途絶えたのでした・・。
小さな命のご臨終。セミの透明な羽根には茶色いマダラがありました。ニイニイゼミです。
梅雨に戻ったような天気が続いていて、まだセミの鳴き声はそれほどしません。こんなかたちでセミの鳴き声を聞くことになるとは・・。
少しだけしんみりした夜でした。
読んで下さりありがとうございます。