素敵な一冊の短編集を読みました。それは吉田篤弘著「中庭のオレンジ」です。
夜寝る前とか雨の日に読むのにぴったりかもしれません。小説というより大人の童話集といった趣。21編の物語が収められています。
一番最初の物語。
戦禍で燃やされないよう図書館の本を図書館の中庭に埋めます。その時、沢山のオレンジの種も蒔くのですが、しばらくして、その中の一つから芽が出て立派な木に育ち・・。
この最初のオレンジの木に関連する物語が中ほどと最後に出てきます。基本的に他の物語は独立しているのですが、このオレンジの木にまつわる物語が要になっていて、バラバラな物語がオレンジの木(・・というか実った果実)とリンクしてきます。
登場するのは人だけでなく、羊だったり、天使だったり、神様だったり。物語には、それぞれの味わいがありますが、どれもどこか不可思議。そして終わりには余韻が残ります。
そして最後まで読み終え、本から立ち上ってくるのは優しさや悲しみや懐かしさなどが混じったオレンジの香り・・。
この著者の世界観が大好き。センスのよさに唸ります。読んでいると鬱々とした気持ちも消えていきます。
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話は変わり、昨日、パート先の上司から自宅で採れたというプラムを頂きました。上司の家には様々な果物の木があるようです。
「熟しているので一両日中に食べて下さい」と言われました。
今までの人生で一度くらいプラムを食べたことがあるかもしれませんが、まったく記憶にありません。
なのでプラムの味が想像できない。
さて、どんな味だろう?と夕食後に食べてみました。種の周囲は酸味があるのですが他はぼやけた感じでつかみどころのない味でした。
まだまだ瑞々しくて不味いというわけではありませんが。
老母も「よく分からない味」と言っていましたね苦笑。もしかしたら、もう少し熟させた方がよかったのかな、と思いました。