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日々の出来事

マツバボタンと老人達の願い

昨日の昼下がり、仕事から戻ると老母に「頼みがある」と言われました。何かと思ったら、庭にある鉢植えのマツバボタンが満開できれいだから写真を撮って欲しい、とのことでした。早速、花がすぼまないうちに写真を撮りました。マツバボタンは、毎年、鮮やかなピンクの花を咲かせます。老母は、肥料をやったり冬の間は藁をかけたりして大事にしています。いつから、このマツバボタンがあったのかは憶えていません。ずいぶん昔からあります。

しばらくして老母は近所の家に回覧板を持って行きました。背負いかごを背負って。何かを入れるためではなく、背負いかごを背負うと歩きやすいからです。杖より歩くのが楽なのだそうです。普段、出かける時は杖を使っていますが、近所の家に行くときは背負いかごです。老母は83歳ですが、シルバーカーは年寄りくさくて嫌なのだそうです。十分、年寄りだと思いますが・・。

七夕にはまだ早いですが、昨日、働いている介護老人施設で入所者の方に願い事を尋ねました。ある方は「朝昼晩、皆に挨拶出来て、仲良く過ごせれば私は十分・・」と言いました。願い事というか、今の生活に満足しているということでしょうね。足ることを知る方です。ある方は「自分の足で歩いてみたいね・・」と笑って何度も言いました。車椅子生活になって何年でしょうか・・?自分の足で歩くことは遠い夢です・・。歩けることのすばらしさをしみじみ思っている感じでした。また、ある方は「お金」と言いました。施設ではお金を使うことありません。お金そのものが欲しいというより、お金があれば自由に生活できる・・と思っているのかな・・と思いました。願い事もいろいろ・・。
老母にも願い事を聞いてみようかなと思いましたが、やめておきました。何となく、そんなことを聞くのは気恥ずかしい気がして・・。

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しばらくして帰ってきた老母に、A4の用紙に印刷したマツバボタンの写真をあげました。実物より色がくすんでいましたが、老母は「きれいだね」と言い嬉しそうでした。マツバボタンが毎年、きれいに咲いてくれることは老母の願いの一つでしょうね。念願かなって今年もマツバボタンはきれいに咲いてくれました。

賑やかに咲いたマツバボタン
かしましい娘たちのような気がします

読んで下さりありがとうございます。

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